電鉄に乗ってソウル駅へ

 国鉄清涼里駅は、バリアフリー化に逆行するように広い階段を2階にのぼる。待合室も広い。入ると右手にコインロッカーとオープンのPCバンがあり、20台ほどのパソコンが並んでいる。また片隅には、各種携帯電話の充電器がずらりとならぶ。電話としての携帯電話は韓国では日本以上に普及していて、地下鉄だろうがどこだろうがお構いなしに通話している。なお、この充電器の群はどこの国鉄駅にもあった。
 広い待合室の中央付近には40セットの座席が2組あって、どうも同じ行き先の者がそこに座って待つらしい。奥に切符売り場があり、一般用の他、さすが始発駅でソウルNo2らしく、外国人用と電鉄用に分かれている。夕方ではあるが、駅はそれほど混んではいない。私は、せっかくだから漢江沿いを電車でぐるりと回り、国鉄ソウル駅へ行く事にした。外国人用の窓口で、ソウル駅までの切符を頼むと、電鉄の窓口へ行けと指示された。この路線と地下鉄は、「電鉄」という名前で区別しているようだが、清涼里の駅がわざわざ違うし、その経営母体が違うのだろうか。
 改札は駅舎の端から端まで全て使っていて広いが、それは、どうも行き先で改札口が分かれているからのようだ。真ん中が電鉄の改札で、そのまままっすぐ行って下ったところがホームになっている。この路線はいわゆる国鉄路線と思っていたが、どうも違うらしい。地図によってはここも地下鉄1号線(鐘路を通るのも地下鉄1号線)となっている。駅番号にはKがついているし、地下鉄というにはほとんどが陸上を走っている。
 電鉄に乗ってソウルに向かう。もう外は暗くなってきており、やがて車窓から漢江が見えてきた。乗換駅である往十里、玉水ではどんどん人が乗っては来るが、決して押し詰め状態にまではならない。さて問題は、竜山駅である。ここでほとんどの人が降りるのだ。ソウルに直接行くんじゃないのか?とも思ったが、明洞の経験からこんな場合にはみんなに合わせる方がよいと考え、とにかく私も降りる。では、ソウルに行くにはどれに乗ればよいのだ。みんなについて連絡路に登ったものの地図を見ながら悩んでいると、一人の青年が声をかけてきた。「ソウルステーション・カヨ」に対し、ハングルで5番乗り場だという。5番って、さっきのホームじゃないのか?と思いながらホームに再び戻り、入ってきた電車に乗ってみる。2駅目だから間違ってもすぐ分かるし、引き返せばよい。そんな不安をよそに、問題なくソウル駅に着いた。この竜山−ソウルは平行して地下鉄4号も通っており、ちょっとわかりにくい区域である。
 ソウル駅の地下から上がると、見たことのある建物が目の前にある。これこそソウル駅だ。建物は思ったよりこじんまりしている。コンビニか市場で、散策用の荷物や買った物を入れる袋を買おうと思っていたが、実際にはそうコンビニもない。ちょうどソウル駅の前にワールドカップ関連商品の店があったので入る。W杯のパテントで割高なんだけどなあと思いながら、見て回るとちょうどリュックにもなるビニール袋があったので買った。これからはこのバックがサブバックとなった。ここから再び地下鉄1号線に乗って仁寺洞へ向かう。前回のソウルへの旅行でとても行きたかったところである。骨董街なので、もう店も閉まっているかもしれないが、道もきれいになって斬新な雰囲気の街になっているというので、興味を持っていたからである。

   2002' 8/22