大邱の地下鉄 

 大邱西部市外バスターミナル内で、海印寺行きのバスのタイムテーブルを発見(写真)。始発は6時30分、最終は20時である。これで一安心。次は宿だ。これもすぐに解決した。ターミナルの隣の4階建てのビルが旅館なので入って聞いてみると、一泊2万5千Wであった。部屋を見せてくれと言うと、勝手にみな!とあごで返事した。部屋をみてみると全く問題ない。2泊することを告げ、5万Wを差し出す。紙に503と書いて行けと言うが、鍵は?と聞くとキーを渡された。
 部屋に入り、シャワーを浴びて、着替える。写真のように外のバスターミナル前は大きな交差点になっている。外に出ようとしてうっかり鍵を閉め込んでしまった。フロントに降りて、開けてもらったが、鍵はもう二度と渡してくれなかった。テレビをつけると、ドクタースランプアラレちゃんをやっている。地下鉄の駅もここにあるので、このバスターミナルは旅行者にとっては非常に便利な大邱の拠点である。雨もやんだので、そのまま地下鉄に乗って大邱の中心部に出て行くことにする。大邱の地下鉄といえば、6ヶ月前に火災による大災害を起こしたばかりである。それからどのように復興したのか興味があるところである。
 ターミナルのすぐ近くにも聖堂モッ駅があったのだが、地図に明記されてなかったため次の大明駅まで歩く。600Wのチケットを買い、17時47分ホームに下る。入ってきた電車に乗り、市の中心部に向かう。車内は特に変わったところはないが、今回の火災で問題になった、車外へ出るためのコックの表示は、写真のように大きく目立つようになっている。信頼を失ったためか、客も少ないそのうち教大駅に着いた。
 なぜか少ない客もこの駅で皆降りていく。繁華街はこれからなのに...と不審に思ったが、車内の路線掲示には前線問題ないし、電車は私を一人乗せて(写真は誰もいない電車内)そのまま中央路へ向けて走りだした。悲劇の駅へはみんな行きたくないのだろうか..と考えていると、駅でもないのに電車が急に止まった。なんと電車は逆向きに走りだしたではないか。えっと思っていると、乗務員が入ってきた。私を見るとびっくりして訪ねた。私は中央路に行きたいと主張すると、外国人だと了解した彼は、丁寧に教大で降りるように言った。どうもまだ火災のあった部分は、6ヶ月たった今も復旧していなかったのである。たぶんアナウンスではそのことを言っているのだろうけど、言葉がわからない私にはわからない。車内や構内の路線図がそのままになっているので、なおさらだ。
 ということで、教大駅ホームに私一人は降り立った。ホームには、監視の駅員?がいて、客が乗っているはずのない電車から降りてきた不振な客に近づいてきた。再び、説明して上に上がる。すると今度は、他にだけも客がいない改札のところで再び止められた。再び片言で説明して改札を抜けると、緑色のチケットを渡された。どうもバスのチケットらしい。ということは、不通の区間はバスで移動できるわけだ。それなら最初からバスで移動する方が登ったり降りたりする分面倒がない。地下鉄の客が少ないわけだ。というわけで、やっと地上に出ることができた。
 バスはどこでどこまでのるのかわからないのでパスする。目の前をにぎやかなトラックが通り過ぎた。韓国の街角で好きな光景は、新装店の前の風船アーチと吹き流し人形、ミニスカート嬢のステージである。なんとそのトラック上では、吹き流し人形こそなかったが、風船アーチにミニスカート嬢が歌って踊っている。何の宣伝かはわからないが、走る車の上でのパフォーマンスはすごい。このまま中央路を北上して、市の中心部に向かう。

   2003 08/17