肱川や四万十川では川漁師が捕る食用のモクズガニがいます。このモクズガニは手のひらほどの大きさになる中国の上海ガニとほぼ同種の美味なカニです。はさみのまわりに毛のようなものが生えているのが特徴で、川で成長しますが秋には海に下り産卵します。
しかし、サワガニと違って泳ぎが上手で水量の多い川では子どもの手に余るカニでした。ところが、佐田岬半島では小さな川にもたくさんいて子どもにも簡単に捕れるのです。写真は二名津小の低学年でカニ捕りしたときのようすです。
私も9月になるとたくさん捕まえて毎日のように食べていましたが、三崎の人は興味を示しません。聞くと「農薬が流れちょる川のカニなんか食べれるか。わしらが食べるカニは磯にいるガンドよ。」と言うのです。ガンド(正しい名前はショウジンガニ、名取ではガンゾというそうですが、ここではガンドとします。)も手のひら大の磯ガニです。蟹味噌もたっぷりありイセエビよりも旨いという人もいます。確かに磯で探すとこのカニが多数見つかります。しかし、動きも素早く大きな岩にすぐ隠れるので捕まえることはなかなかできません。
肱川や四万十川では川漁師が捕る食用のモクズガニがいます。このモクズガニは手のひらほどの大きさになる中国の上海ガニとほぼ同種の美味なカニです。はさみのまわりに毛のようなものが生えているのが特徴で、川で成長しますが秋には海に下り産卵します。
そんなある日、串中学校の生徒が「先生、ガンドとりに行こ!」とやってきました。彼の手には写真の道具が握られていました。先端のひもの中央部に魚のアラを挟み岩の下に差し入れるとすぐにガンドが出てきます。ガンドのあしが絡まったところでひもを引くと動けなり捕まえるという道具です。彼と串浜の竜田碆周辺を一回りするとおもしろいようにガンドがとれました。さらに、カニに襲いかかろうとしたタコまで捕れました。写真はそのときのガンドで上がメス、下がオスです。ガンド捕りの名人に聞くと、大潮の夜には波止に上がってくるそうで、そのときには手づかみでも捕まえることができるそうです。
では、どちらが美味なのでしょうか。どちらも足肉は少ないですが蟹味噌はたっぷりで私には甲乙つけることができません。ただ、ガンドは殻がかなり固いです。二名津の大谷川には最近大洲の業者がモクズガニを捕りに来ているそうです。農薬の件は気になりますが、川育ちの私はモクズガニのカニ飯が秋の楽しみです。