内容編集中! しばらくお待ちください 「すばる」って何?
(令和元年6月改)
枕草子に最も美しい星だと紹介される「すばる」、歌にも車会社の社名にもなっている美しい天体の代表ですが、意外に実物を知らない人がいます。冬、真上を見上げて見つかる6〜7個の宝石のような星の集まりがすばるで、西洋では美しい7姉妹の名をとってプレアデス星団といいます。
冬の星空は、空気も澄んでいるうえに、さまざまな色の一等星や特徴的な天体が大集結しているので、天体観察入門には絶好の機会です。やはり星空を楽しむには、手がかりになる星や伝説を知ることが一番です。
まずは南の空を見て見ましょう。オリオン座が見つかるはずです。毛利家の家紋やサムスン(三星)等の社名、御手洗団子の由来にもなっている三ツ星とそれを取り囲む4つの明るい星と大星雲、これほど目立つ星座はありません。そして左下に全天で最も明るい恒星のシリウス(焼きごがすものの意)を含む一等星の大三角が結べます。その左上には東洋で金星・銀星とされる双子座の2つの星、右には赤いアルデバランとすばると、主役級の星々が確認できると思います。
実は私が最初にメロディーラインを走ったのはある星を見つけるためでした。中国の伝説でそれを見つけると幸せになれるという「南の老人星(カノープス)」です。恒星では全天で2番目の明るさでオリオン座の真下という絶好の位置なのですが、地平線ぎりぎりにちょっと顔を出すだけなので、愛媛県では南の水平線が見られる佐田岬半島が最適な観察ポイントというわけです。ところがこのカノープス、南に行くほどオリオン座や冬の大三角とセットでぐんぐん高くなるのです。私が訪れた最も南であるインドネシアでは、日本では見られないケンタウルスα星(最も地球に近い恒星)、マゼラン星雲、そして南十字星観察の絶好の基準になってくれました。
もちろん太陽や近年その生物学的意味が見直される月は、生命のリズムに深く根ざしています。日本は明治4年に無理やり太陽暦に切り替えましたが、陰暦が日本の季節や生物のリズムに影響することから今でも旧暦が尊重されています。私も変わり者だと言われながらもバイオリズムに優しいとされる旧暦生活に切替えました。東洋ではそれが標準ですし、ちょっと前の我が国の祖先も基準にした暦だからです。
さて、女性が成長過程で自然の摂理を強制的に目覚める現象が初潮です。この生理現象は、さまざまな表現で語られネガティブなイメージでとらえる人も多いようです。でも、ある母が初潮を迎えて戸惑う娘に「お腹にお月様が宿る」という美しい言葉をかけたそうです。まさに生命とそのメカニズムが月の周期(宇宙の摂理)そのものです。この自覚は後の出産とともに女性だけに与えられる人間成長に欠かせない経験です。
私の子ども時代は除夜の鐘を聞きながら、氏神様に初詣に出かけお正月様を家に迎えて全員で歳をとりました。その道筋で家族で見上げる星空を良く覚えています。この冬、宇宙の摂理入門として子どもと夜空を見上げて語り合ってみませんか。