牛鬼と四つ太鼓の練り

 10月8・9日は、三崎の秋祭りです。三崎の祭りのハイライトは牛鬼と四つ太鼓のけんか練りです。

 牛鬼は、東組の山車で平家を表します。青年達が竹で骨組みを作り、黒布でおおった体長10mの胴体に、長い角を持つ緑色の頭と、剣の尾をつけた牛鬼を若者がかつぎ、威勢のいいかけ声とともに練り歩きます。
 また、四つ太鼓は西組の山車で源氏を表します。中央台座に選ばれた長男(小学校1年生)が4名座り、太鼓を打ち鳴らし、それを若者が引きます。

 祭り当日は、互いの山車を牽制した後、港の広場に組み上げられた高さ10mのやぐらを使って先端を頭上高く合わせて落とし、どちらが上になるかで勝負を競い合います。
緊張感が漂うこの勇壮な情景を、見物客は遠巻きにして見守ります。勝負がつくと買った方が元気よく練り回り観客の喝采を受けます。このようなけんか練りは、県下でも特異なものです。

 現在、三崎以外では二名津でも牛鬼と四つ太鼓の練りを行っていますが、三崎のような空中戦のシーンはなくなっています。以前は多くの地区で行われていたようです。
 

 

実盛送り(虫送り)

 この実盛送り(さねもりおくり)は、毎年旧暦の5月16日に行われる年中行事の一つです。
 実盛とは、平家の武将斉藤別当実盛のことで、平安末期、源氏の木曽義仲との戦いで奮戦したとき、稲株につまづいたために不覚をとって討ち死にしてしまいました。それで、彼の怨霊が虫になり農作物を荒らすのだということで、その恨みを沈めるために供養したのがこの行事の始まりのようです。
 三崎では、竹で2mほどの船を造り、その中に勇ましい姿の実盛様を安置し、傳宗寺で供養した後、三崎から高浦、佐田、大佐田、井野浦とリレーしていき、井野浦で海に流されます。


 
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