その箱を恐る恐る開けてみると、中には布で作った乳房が入っていたのだそうです。
村にはお乳が出なくなってとても困っていたお母さんがいて、それをお薬師様に供えてみました。
すると、お乳が出るようになったいうことです。
その話が周辺の村々に伝わり、赤ちゃんを産んでお乳のでない人は布で乳房を作って明神のお薬師様に供えるようになったということです。そうすると、お乳がでるようになるんだそうです。
このお話をして下さったヨシさんも、長女が生まれたときお乳の出がよくなかったので、乳房を作って薬師堂に供えたとのだそうです。
そして今でも薬師堂には、昔、薬師様に供えた乳房がたくさん残っているそうです。
