神様のお国自慢

 まだ日本の国ができて間もないころの話だそうです。
滋賀の神様が
「わしのとこは日本一広い湖を持っている。」
と、自分の所の湖を自慢したんよ。それを聞いていた静岡の神様は、
「わしのとこの美しくて高い富士山が、日本一じゃ。」
と言ったそうな。そして、
「愛媛の神様、あんたとこにゃ何か自慢するものはあるか?」
と、聞いたんと。
愛媛の神様は、それを聞いて困った。
(これは困った。うちには広い湖もないし、高い山もないし。でも、ないと言うのはしゃくだし・・・。)
そこで、
「うちの国にも高い山があるんじゃ。」
と言いました。すると、静岡の神様も滋賀の神様も
「そんな高い山、どこにあるんや。」
と、聞いたので、愛媛の神様は
「細くてあんまり高いので、折れたらいけんと思って横にねかしたんよ。」と言ったそうな。
それがこの佐田岬半島なんだそうです。

  出典:二名津中学校「郷土の昔話」・・・平成4年度 住江弥平彦(二名津46歳)伝,編集:ようこ(5119)