名取には岡・峰・里の三つの部落があって、順番に雨乞いをしました。
一つの部落がしているときには、残りの二つの部落の人は周りに座っていたそうです。
「雨をくだされ、りおんどう。」
「雨をくだされ、りおんどう。」
と、何回も何回も大きな声で、輪になってぐるぐる回っていたそうです。
天まで届くようにと大きな声でおらんでいたそうです。
山の頂上で大きな声を出していたので、それを聞いた二名津、釜木などの他の部落も雨乞いをするようになったそうです。
その強い願いがかなったのか、雨乞いをすると数日後には雨が降っていたそうです。
いくら忙しくても、子どももつれてみんなで雨乞いをしに行ったそうです。
そのうち自動車が通うようになった頃には水不足のときは「車で水を運べばよい」と言う人が増えだしました。
そのうち若い人たちが雨ごいをすることに意味を感じなくなって、だんだんこの風習はなくなっていったそうです。
なくなったころは、水は車ですぐ運べるので、人々はよく働いていたそうです。