一人の娘が、
「そこを、どいておくれよ。」
と言ったのですが、どいてくれません。
そこで、もう一人の短気な娘がおいこを大だぬきめがけて投げつけました。
すると、大だぬきは
「ギャー。」
と、耳がさけるほど大きな声をあげて逃げていきました。
でも、二人の娘達はまた出てきたらいけないと思い、両手に石をしっかりとにぎしめて歩いて行きました。
雑木林まできたときです。大だぬきが山の上でまちぶせをしていたのです。
大だぬきは、山の上から石をころがしてきました。
二人は
「これは負けられん。」
と、大きな声でさけび、にぎりしめていた石をおもいっり投げつけました。
すると、その石が大だぬきに頭に当たりました。
大だぬきは「これはたまらん」と言って逃げて行きました。
二人の娘は
「やあれ、おとろしかったのう。」
と言って、胸をなで下ろしました。
それ以来、大だぬきは現れなくなりました。
(この話は、太平洋戦争があった頃の話だそうです。)・・・・・おわり