いんのこ

 名取のいのこの唄を紹介します。いのこは、旧暦10月の亥の日、各家庭を一軒一軒まわってその家の繁盛を祝うものです。名取では、最初の亥の日に小学生が家々をまわっています。

 

   どんといびーす うたいましょ

   大太鼓のお庭には

   一で、俵をふんまえて    二で、にっこり笑ろうて
   三で、酒作って        四つ、世の中良いように
   五つ、いつものごとくなり  六つ、無病息災に
   七つ、何事ないように    八つ、屋敷をひきそろえ
   九つ、こ蔵を建て並べ   十で、とうとうおおさめた

   いのこえー いんのこえー

   一つ、ひよどり  二つは、うずら  三つ、みみずく みかんの枝に
   とぼやとぼやとさえずるときは
   竿は二軒竿 我が身は五尺
   とんとこまいとこおもたら わがせがのんでみんしゃいな
   いんのこえー いんのこえー

   ここの屋敷はよよいよい
   こうざきな でーばあな
   あらよいせ はいせ

   鶴と亀とがよやんんでまいをまう
   そらきたよーいとせはーいとせ
   あれはいなーこれはいなん
   さてそれれいなん えだわんでもせ


  出典:二名津中学校「郷土の昔話」・・・平成6年度 藤原雪美(名取43歳)伝,編集:AM(5221)