準備そして出発
三崎町の内の浦は、風の強いところである。冬は、玄界灘から周防灘にぬけてきた北西の風が、「みの越」を越えて、そのまま吹き下ろす。この日は、雨こそほとんど降らないが、特に風が強く、風に向いて歩けないほどの状態になっていた。18時三崎発八幡浜行きのバスに乗るために、港までバイク(CT110)で出る予定だったが、車にしようかと迷う。しかし潮風の吹きっさらしの港に一週間も置いておくのは...。悩んだあげく、やっぱりバイクで出ることにする。
荷物は前日までに、おおよそ準備していたが、もう一度確認しテザックにパッキングする。前回はデジカメが途中故障して、記録面で不満が残ったので、今回はサブのカメラをいろいろと考えた。まず考えたのは、携帯電話である。今使っているD503iをこのごろ出だしたカメラ付き携帯に機種変更しようというのだ。というのも、30万画素程度のやっと実用に耐えられるものが出始めたからである。早速、ドコモに問い合わせると、機種変更には4万円弱かかるという。これなら小さいデジカメを買った方がいいので、やめにした。次に考えたのがパームである。携帯端末として以前から気になっていたのであるが、この秋の新製品を調べてみた。すると、小さなキーボード、30万画素カメラ、音声付き動画の録画、ボイスレコーダーまでついたクリエ(PEG-NX70V)が発売されていた。ほとんど迷うことなくソニースタイルで購入した。これがあれば、旅の記録も旅先で入力しておくことができるではないか。オプションのGPSも考えたが、インターネットで調べるとまだ実用的なものではなさそうなのでパスした。今回の旅ではこのパームが、最強の武器であった。デジカメはC-1 Zoomで、スマートメディアは64M2枚、32M1枚に予備の8Mの計4枚、パーム用メモリースティックは、128M1枚、64M2枚に予備の16Mの4枚である。これだけあれば、動画や音声もバンバン撮れるぞ。もちろんパーム充電用電源と変圧器も準備して、今回は万全の記録メディア環境で取り組んだ。ところが12月29日パームがクラッシュしたためにメモがすべて消失したので、この紀行文のそれまでの時間や代金などのデータは、正確さに欠けることとなった。
出発前、ジャケットを何にするか悩んだ。予定ではカラフルな登山用ゴアテックスジャケットだったのだが、直前になって狩猟用ジャケットを考えたのだ。なぜならば、ほとんど何でも入るバックポケットと、地味なのでその場にとけ込みやすいかもしれないという理由からである。直前まで悩んだが、結局、狩猟用ジャケットにした。ところで前日用意したはずの登山用スティックがない。さんざんさがすが見つからないので、結局時間がないので、現地で買うことにして出発した。
17時半、バイクにて三崎に向け出発。強風の中、何とか18時前には三崎商工会館前に到着する。
18時過ぎ、八幡浜行きのバスは私ともう一人のおばちゃんを乗せて出発。冷蔵庫にあった卵を処分するために作ったゆで卵を食べて、最後部座席でウトウトしているうちに八幡浜駅に到着したのが、19時10分頃。1270円
19時28分発のJR特急に乗って、松山に向かう。20時22分松山に着く。すぐに松山観光港に行きのバス乗り場に向かうが、バスはもうない。フェリーの出発に間に合うバスだけでも、運行してほしいものだが仕方がない。タクシーを拾い、観光港に向かう。
観光港は、いつの間にか新装になっている。2等寝台のチケットを購入して、酒の肴と酎ハイを買う。関西汽船乗り場へは、2階に登って通路をずっと歩いていき、外気に触れることもなくなっている。フェリーは21時30分発のはずだが、22時になっても出航しない。心配になったが、もうこの時点で何ができるというわけでもないので、観光案内所を見ながら寝ることにした。船は約一時間遅れで出航した。
H14.12.25