南門から東門
なだらかな坂道を下っていくと、正面に上鶴山の前峰?がすくっと立っている。右手には東門から続く、乱積みの石垣が現れると、眼下に南門が見えだした。それより向こう側が、秀吉軍を迎え撃つために金井山城である。下りきった谷に4m程度の石垣をもつ小さな城門「南門」があった。三国志に出てくるような城門ではあるが、ずっと小振りである。南門には数人の登山客がいて、そこから谷を下ると観光?村がある様な雰囲気である。南門をくぐって案内板を見て今後の計画を考えてみる。東門まで歩き、時間があれば北門まで行ってみようか。
東門へは少し車道を歩き、三叉路から上に見えている稜線の城壁まで登り、そこから城壁沿いの歩道を歩いて行く。この金井山城(正式には東莢山城らしい)は、 総延長17kmと韓国最長の城郭ではある。三国時代に建てられたた後、文禄慶長の役の後に、避難と抗戦を目的に再建されたらしいが、実戦があったかどうかは不明である。城壁の高さはせいぜい3〜4m、場所によっては1m位で、城攻めの得意な秀吉軍との実戦にどれほど耐えられるかは疑問である。旧日本軍が破壊したものを、現在、復元しているところだそうである。
だらだらと続く城壁跡は、あまりに貧弱ではあるが、地形的にはおもしろい。冬なので人も少ないが、晴天の稜線歩きなので景色も良い。途中のピークで登山者に会う。遠足か仕事かはわからないが、テーブル状の大岩の上で気持ちよさそうに軍人さんも昼寝(写真:無線を持ち腕章をしていた)している。向こうには金井山山頂までの大展望が開け、西を見ると上鶴山が力強く横たわっている。
やがて、下りになり、金井山が全姿を現すとともに東門が見えてきた。釜山から登ってくる車道まで下ったところに案内板や売店などもある。ここから再び登りなおし、作られたばかりの城壁を歩けばすぐに目の前に東門が見えてきた。東門もその周りの城壁も最近再建されたものらしく真新しい。東門から城の外に少し下ったところに東門観光用の駐車場や公園があるようで、人がどんどん登ってくる。この辺自体が公園になっていて、数軒の民家もある。カササギがけたたましく鳴いているが、よく見るとカラスもいるようだ。
もう11時を回った。この後の行程もわからないことが多いので、北門行きは諦めて、金城洞へ下り昼食をとることにする。広場やテニスコートなどがいくつかあり、釜山の避暑地のような感じだ。とはいっても高級リゾート地というより庶民の憩いの地のように感じる。大人が大勢でにぎやかにバレーボールをやっている。黒い山羊もいて、これがこのあたりの名物料理になるようだ。
H14.12.31-2