金井山公園
朝は、7時過ぎに起きた。金剛山公園入口はは写真のようにちゃんとした瓦屋根のゲートがある。このゲートはロープウェイ用のチケット売り場のようである。ロープウェイの営業時間は、9:00〜17:30で、片道3千w、往復で5千wである。朝も早いのにゲートの前には、果物を満載したトラックが停まり、露天商の準備が始まっている。8時前に、ゲートをくぐり公園内にはいる。ケーブルは動いていたが、試運転のようだ。ロープウェイ始発にはまだたっぷり時間があるので、自分の足で登ることにする。一応案内書の簡単な地図はあるが、あまりにおおざっぱすぎて当てにはならない。公園内は道が分かれていて、登山道は並行に二本あるようにも思えて、どれが本当の登山道なのか不安である。こっちだと思った方を少し登ると、すぐに登山口らしき山門があった。(写真)
そこからはでかい酸性岩がごろごろする山腹を石を切った御影石の石段が上へ上へと続いている。テープもあるみたいだし、たぶん山頂まで大丈夫だろう。途中、公園内でバトミントンをしたり、体操をしている人もいたが、標高で200mを過ぎるころにはほとんど人に会わなくなった。赤松林の中の登山道には水場もあって、倒木は小さく切ってビニールをかぶせてある。のどかな山歩きではあるが、やがて道がはっきりしなくなる...というより、踏み跡がいろんな方向にあってどれが本当の道かわかりにくくなる。跡から登ってきたアジョシは、私と違った方向に進んでいる..が、私の感では登山道はこっちのはずだ。しばらく登ると日が差してきだした。そして右手に、小さいながらもいくつかの磨涯仏(地蔵菩薩?と観世音菩薩)が道ばたの大岩に刻まれているのが見えてきた。どうも宗教的な山といった側面もあるらしい。胎内くぐり風の洞窟状の聖域?もあって、中でロウソクの炎がゆれている。所々石垣もあるが、金井山城の城壁の跡なのかだったのか何か他の建造物があったのかは定かではない。一カ所東から南が開けて、釜山の街が眺められる展望ポイントもあった。
そのうちひょっこりと尾根上に出た。それまで視界はほとんどなかったのだが、松林の間から釜山の街が見え始める。そして、テーブルのように突き出た岩に登ると、北の展望も開け、金井山の山頂も遙かに見えてきた。この金井山への景色は、奇岩が屹立したなかなかの景色で、この公園がミニ金剛山といわれるゆえんでもある。とはいっても、日本の山歩きをよくする人にはではそんなに驚くような光景ではない。そこで、朝食のキンパプを食べる。登りの汗も引き肌寒くなってくる。そこから下を見るとヤクスジョン寺がすぐ足下にある。名前から考えると薬水でも出るありがたいお寺なのだろう。
やがて傾斜が緩やかになり、金井山公園の山頂部になる。ロープウェイ山上駅もある。9:00を過ぎたはずであるが、人気もなく動いている様子もない。大晦日なので休みだったのであろうか。山頂部は広いなだらかな起伏のある平地となっている。そして、松の林の間に韓国風のビニール屋台(プラスチック4人がけテーブルでぐるりがビニール幕で覆われている)がテントのように散在している。ビニール越しの森林浴とは..ちょっと疑問に思うが、自然の楽しみ方?のポイントがちょっと違うのだろう。ちゃんとログハウス風の公衆便所も完備されている。行楽シーズンになれば、ここが釜山の人々のまさに森林の中の宴会場になるのだろう。その様子が生々しく想像できる山頂部は、日本にはみられない異様な風景ではあった。が、私以外には人一人もいない状態で、人工物が何もない状態よりも、より静寂を感じたのであった。
しかし、ロープウェイが動き出しても店の人が来るでもなし、ましてや客の姿は見えない。仕方ないので、そのまま前方の金井山城南門へ向かおう。いろいろと道標があるが、ナンムンと書いた表示を探して公園からなだらかな道を下った。
H14.12.31-1