クゥドレコード

 西面から、地下鉄で南浦洞に行く予定が、放送やハングル掲示が分からないので、うっかり間違えて、釜山駅に降りてしまった。ここの改札では、結構区間外のチェックに引っかかって、ビービーなっている姿が見られた。灰色の僧衣の尼さん(坊さん?)も引っかかっていたが、この駅には駅員がいるので、そこですったもんだしていた。私がどうも南浦洞と違ったのではと思ったのは、改札を出て地上に出ようとしたときだった。「釜山驛」の文字が目に入ったのである。外に出てみるとやはり釜山駅前だった。せっかくだから道路越しに釜山駅の写真を撮り、再び地下鉄に乗って南浦洞に向かう。釜山の地下鉄のホームには、本棚があるところがある。韓国の人はよく本を読むと言うが、構内が暗く、実際日本を呼んでいる人には出会うことがなかった。読むというより中古本の配給所なのかも知れない...。
 南浦洞で降り、ロイヤル観光ホテルを目印に釜山最大のレコード店らしい近代的な建物:クゥドレコードに向かう。思ったより店頭は地味である。1階は一般ポピュラーミュージック、その奥はJAZZコーナーになっている。意外にカセットテープが多く、中央も含めて全体の3分の1を占めているようだ。BABY・VOXの5枚組のCD(なんと14500w)を買って、2階に上がる。
 2階はクラッシック、小澤征爾のブラームス交響曲1番と4番がほしかったので、ちょっと探したが、それはなかった。クラッシックがワンフロア全体を占めており、この国の音楽の大きな部分を占めているのが分かる。実際どこでも遠慮なくなる携帯の着信メロディーも、私が聴く限りほとんどがクラッシック曲のようである。また、これらのCDのジャケットを見ると、日本語の解説紙のついたものが結構多い。JAZZも多くがそうである。日本経由で入ってきているのか、日本版の販売権を持ったメーカーが日本版をそのまま韓国もちこんでいるということだろう。表示は英語と日本語ということになるが、漢字を読みこなせなくなってきた現代の韓国の若者にとっては、これらのメディアを買う機会はないかも知れない。これらのジャンルはテープが見られないのもそれを表している。
 3階はDVDやビデオのフロア。奥にミニシアターがあり、50インチ程の画面のプロジェクター映像に邦画(韓国)が上映され、2〜3人ほどの客が観ていた。他にもこのフロアには2〜3人の客しかいない。平日とはいえ、少ないのでは?。
 DVDは、洋画がほとんどである。インターネットを活用した民衆資本で飛躍的な伸びを見せている邦画は、ワンコーナーをアニメと共に共有しているだけである。アニメは「くれよんしんちゃん」「新世紀エバンゲリオン」など日本のものがほとんど。「ジャイアントロボ」、「ガッチャマン」等の懐かしいアニメも何と一番目だつ位置にドンと置いてある。
 邦画は最近のものが多いのか。ざっと観た感じでは「ユリョン」や「リベラメ」など古いものは置いてない。さすがに「JSA」は5本ほど並んでいる。そして釜山の映画である「チング」は、特別版(銀色の金属ケース入り)がたくさん置いてある。
 いろいろ見ていると、ふと見かけた文字(カウルドンオァ)の背表紙がみえた。その目立たない背表紙のDVDを手にとってみると、確かにKBSの「秋の童話」のDVD(2002.6.26発売 25,800w)である。日本では吹き替えのドラマなので、比較して韓国語の勉強ができる絶好の教材である。裏の規格を見る。時間は142分と書いてあるからどうもダイジェスト版なのだろう。そして日本のDVDには見られない表示が...。「Win98 PentiumIII 32M-Ram・・・」と。どうも韓国ではDVDは、パソコンで見るのが一般的らしい。海外DVDのトラブル点であるリージョンコード(後で調べると日本と韓国のリージョンコードはどちらも2だったが、このときはそれをチェックしてなかった)が心配だったが、一応ALLと表示してあるので、たぶん大丈夫だろう。DVDプレーヤーでダメならパソコンで再生すればいいし..。

   2002' 8/29