帰国

 朝5時頃に起きると、外を見ると窓から街の灯が見える。もう日本なんだなと思ったが、船はほとんど動いていないようだ。風呂は朝早くから使えるので、さっそく入ってみる。小さな浴室だが、ソープとシャンプーは備え付けてある。風呂から出たらデッキに出て、ロビーでBS2を観ながら、この旅行のメモを書く。6:30にはレストランも開き、フロントも営業するという。一度部屋に帰り、荷物を整理する。
 7:00過ぎにレストランに行ってみる。何を食べようか考えたがチケット売り機には、韓定食、和定食、洋定食の3つしか選べないようになっている。そろそろあっさりした和食にも..と思ったが、韓国旅行を締めくくるためにも、日韓航路の韓定食も食べてみないとと思って、600円の韓定食にする。最後の犬料理でちょっと印象を悪くしたあの臭いに、うんざりしかかっていたけれど...。この韓定食の内容は、カクテキに大葉のキムチ、小魚の甘煮、味付け海苔、白飯、焼き魚、味噌汁のような鍋、乳酸飲料、チョッカラがないので、スッカラと割りばしで食べる。量的にも質的にももの足らない感じがする。
 グリルで食後のコーヒーを飲み、外の景色を見るが、船は停泊しているようで、ほとんど景色は動かない。預けていたパスポートとwの入った財布を取りに行く。その時フロントのお姉さんに、なぜ船は動かないのかを聞いてみた。「全館が開くのを待っています。」との答え。なるほど。
 8:15にもなるとロビーに客が並び出す。昨夜騒いでいた小学生には、先生や教育委員会の人がついている。先生に聞いてみると、山口県のある町の交流団だそうだ。やがて下関が近づき、多くの客が団体と一般とに分かれて列を作って並びだした。突然、すぐ横のがっちりした60歳くらいの男が横にいた少年を平手打ちした。前にいた西洋人は驚いていたが、その男は「スティールヤンガー」だと、説明していた。打たれて飛び退いた少年も、抗議をするでもなく、青い顔で逃げていった。状況では、西洋人の何かをすろうとしていたところで、その男に見つかったようだ。
 8:30下関着。再入国審査は、日本人は、外国人とかけられた窓口で、ほとんど顔も見ない状況でクリアする。税関では、パスポートを渡して、「何か税のかかるものを買われましたか」そして荷物を見て、「何をしに?」「山登りに行ってきました。」「天気はどうでしたか。」「まあまあでした。」で、笑顔でクリア。  JR下関駅までは、下船した建物から陸橋が続いていて、迷うことはない。JR下関で、幸崎までの乗車券3150円、と大分までの特急券1370円を購入。8:57発宇佐行き普通、9:08発快速博多行き、9:17発大分行きソニック7号(小倉で折り返す)に乗り、この白いソニックは、内装も外見も乗り心地も落ち着いて全席革張りシートで高級感もあり、昔の新幹線よりずっと良い。デスクも飛行機式である。 10:50大分着。11:15発佐伯行きに乗るが、どうも台風が来ているらしいとのこと。幸崎駅で聞くと、フェリーが出るのかは行ってみないと分からないとのこと。待っていたバスに乗る。バスの運転手に聞いても分からない。12:02佐賀関に到着。どうもフェリーは留まっているようだ。売店のおばちゃんに聞くと、朝からフェリーは欠航。台風はこれから明日にかけてくるとのこと。
 これは待って手も仕方ないなと台風の進路を確認して、帰宅することにした。タクシーを呼び幸崎駅へ戻り、電車で大分へ戻り、再びソニックのに乗ってとりあえず小倉へ行き、新幹線で三原から四国に渡ろうというのだ。三原までの乗車券7670円、特急券680円(半額)、新幹線3250円、計11500円。
 地図を買って調べてみると、三原からはもう今治への航路はないようだ。ということで、急遽、呉から松山に渡ることにした。新幹線を広島で降り、電車で呉に向かう。17:53発松山観光港行きのスーパージェット4570円に乗り、16:50松山着。そのまま市内バスで、JR松山駅へ。ちょうど特急は出た後だったので、1時間待って、20:25しおかぜ21号に乗って八幡浜に向かう。八幡浜からはタクシーで三崎に向かう。今日一日で韓国での交通費を越えてしまった。三崎の自宅に着いたのは午後10時もまわった頃だった。

   2002' 8/30