出国
国際フェリーターミナルに着いたのは、16:30頃。気分悪く、ほとんど動けない状況。飲み納めのバナナ牛乳(今回の旅行のお気に入り)を買って飲んだが、それでもダメ。入国用ロビーのベンチで、ひたすらへたって、回復を待つ。17:00頃、気を取り直し、コインロッカーにザックを取りに行く。赤いボタンを押し、番号を入力すればロックをはずせるようになる。
ザックを担いで、二階の出国ロビーにエスカレーターで登る。17:00から出国手続きが始まる待合室には、人がけっこうたくさん並んでいる。しかし、あれよあれよという間にその群衆は荷物検査場をぬけ、出国審査場に吸い込まれ、17:15にもなれば、ほとんど出国ロビー人はいなくなった。そうあわてる必要はないのである。
荷物検査機を通すのに、カメラやカードや財布(カード類)は別に分けてとっていたが、問題ないということなので、検査機に通した。一応無事に荷物検査は終わり、出国審査に並ぶが、ここもそう混んでいるわけでもなく、問題なく通過して出国した。次に西面ロッテデパート免税店で買った財布を引き替えに、免税品引換所に向かう。ここももめている人が前にいたが、私の財布は全く問題なく引き渡された。みんなはそのまま入船しているので、中で寝るエリアを確保する必要があるかもしれないと思って、私も急いで入船した。
ところが、二等船の103〜105(3部屋続き)はガラガラで、私のいた103なんかは、10人部屋だというのに、私の他は50歳ほどの男性が1人いただけだった。出航まで時間はたっぷり(2時間ほど?)ある。登山靴の中の足は、ずきずき痛むけれど、せっかくなので、船内を探検することにした。この国際フェリー「はまゆう」には簡単な免税店こそあったが、一般の売店もない。土産も軽食も買えないのである。同室の男性の談によると、このルートは韓国船と日本船が交代に行き来していて、韓国船ならさらに設備は悪いらしい。しかし接客乗務員は、ほとんど韓国人のようであった。これも同室の男の談によると人件費の差があまりに大きいからだそうだ。そして、この船は日本船だから日本円しかお金は使えないし、その上、船内で通貨交換もできないと言う。その辺のことは乗る前に説明してほしいものである。結局、15万w手元に残ってしまったが、そういうことなら使うこともないので、パスポートと一緒にフロントに預けた。自販機なども全て日本と同じで、値段も日本と同じで高い。私たち以外の仕切られた2等船には貿易アジュマがいて、なかなか部屋の中は賑やかで楽しそうだ。彼女達は、ごろりと寝ているか、花札のようなものをやっている者もいる。同室の男によると、これらのアジュマや業者が両国への持ち込みを結構依頼することがあって、その男も千円くらい?の手間賃で引き受けたことがあるらしい。日本人の審査は甘いので、全く問題ないとのことであるが、万が一その中に麻薬や覚醒剤などが混じっていたら、とんでもない悲劇が待っているんじゃないか。
上船から出航までは、二時間近くある。19:30頃、船はやっと少しずつ動き出した。船は東に向かい、釜山の夜景をなめるようにゆっくりゆっくりと動く。東洋一ともいわれる国際コンテナターミナルの前を横切り、五六島を越えると、遠くに海雲台の夜景も見えてきた。遠くに釜山の夜景を見送って、一息ついたころにはやっと気分も戻り、お腹もすいてきたので、レストランに向かう。ところが、20時半に行くと、営業19時〜21時と書いてあるにもかかわらずレストランは終了していた。
仕方なく自販機の400円の焼きそばとビールを買って食べた。韓国の食堂なら四百円もあれば、たらふく食べられるのに...と思いながら。ロビーのテレビは韓国のドラマをやっていて、毎夜のように観た韓国ドラマの見納めと思って見入っていた。しかし、よっぽど暇をもてあましたのか、日本の小学生がロビーで騒ぐので、音声はよく聞こえない。しばらくはテレビを見ながら、この旅行のメモを取っていたが、そのうち眠くなってきた。特にすることもないので、そのまま寝た。
2002' 8/29