大邱の夜
中央路を北進すると、やがて写真のような日式専門店が見えてきた。黒い地味な立派な建物にそれらしき植木をあしらい石灯籠などある。「二鶴」という名前の店だが、そのいかにも妖しい雰囲気にちょっと興味を持ったが、高そうなのでやめにする。せっかくだから大邱名物の「タロクッパプ」なんかの店をさがしているのである。
そのうちやっと半月堂駅の上に来た。路上では写真のように地下鉄の改修工事が行われているが、資材がランダムに積まれていて順調に進んでいるとは思えない。このあたりから大邱最大の繁華街であるから、さっさと済ませないと陸上の交通もかなり迷惑するはずだ。このもうすぐ開催されるユニバーシアードあたりには間に合わないかもしれない。
半月堂の交差点を渡ると、中央路に平行に走るすぐ右の通りの人通りが多くなってきた。ここが東城路であろうか。繁華街で、写真のように屋台も出ている。しばらく歩いて、「TCR」ともう一つのCD店を見て回る。CDが千w強の価格なので、ついつい何枚も買ってしまう。結局、BoAの1〜3集、WAXの3集、「ライバル」「大望」「ピアノ」「明朗少女成功記」のOST、「日常」というKBSのドラマOST集を購入した。レコード店を出ると8時前で、夜になっており、さらに人が多くなっている。
中央路交差点に第一文庫という本屋を見つけて入ってみる。そこで「韓国百名山」という登山案内本を見つけた。この本は、百名山の地図と案内が山ごとのファイルとして綴じてあって、必要に応じて分離できるようになっている。地図も説明文もしっかりしているようだし、おまけとして地図用のクリアシートまでついている。
帰りは、中央路の西を歩く。教大駅で地下鉄に乗り、ターミナルの近くの聖堂モッ駅で降りる。構内に細長い水槽があって金魚が泳いでいる。
地上に出ると21時位になっていた。ターミナルの反対側の出口だったので、横断歩道を渡って行くことする。信号を待っていると、「チグンミョッシエヨ?」と話しかける人がいる。振り向くと普通のアガシである。韓国人はさっぱりしているとはいうが、こんなところでアガシが見ず知らずのおっちゃんに話しかけるのには驚いた。しかし、時間の数詞の表現はまだとっさに言えるようにはなっていない。(指折りでしか言えない)しかたないので、ライトをつけた時計を見せた。
結局そこまで手頃な食堂を見つけることができなかったので、夕食はターミナルに隣接した食堂でとることにする。明るい食堂に入り、コムタン3000wとビールを頼む。おじさんっぽい店主?が注文をとり、息子と思われる若者に命じてビールを買いに行かせる。やすい割にはまあまあのコムタン(写真)である。その店の入口は写真のように店頭で、いろいろな食べ物を売っている。そこで夜食にする天ぷら(青がらしにいろいろつめたもの、キムパプ、ゲソ)とマンドゥーを買う。隣の店を見て、食べたくなった、ククス(そうめんとほとんど同じ)を買う。テイクオフだというと、手早に器に出汁と麺を入れ、キムチをセットにして黒い袋に入れて渡してくれた。
後は帰るだけだっが、ターミナル前の屋台のCD・テープ屋の前で足が止まった。ドラマ「ボディーガード」の主題歌「クールに」がかかっていたからである。どのCDも5000W とやすいので、その曲の入っているCDは?と聞くと、「最新歌謡ベスト」というCDを示した。それも買って商品をじっくりみると、有名歌手のCDも500W程度で売っている。おもしろいから「BoAベスト」、「BABY・VOXベスト」を買った。「BaAベスト」なんか、現行の4集全曲にそれ以前のヒット曲を数曲加えたCDで、CD番号なんかも刻印されているが海賊盤なのかもしれない。最後に、コンビニでソジュとビールを買って旅館に帰る。
部屋でテレビをつけると、「冬のソナタ」のリバイバルをやっている。チャンネルを変えるとアニメ「はじめの一歩」である。これらを見ながら、明日の計画を確認する。なんでも天ぷらは豪快だが、キンパプの天ぷらは日本人は考えないと思われる代物である。
2003 08/17