カヤ山下山
「頂上まで50m」の表示まで来たところで、ストックを忘れたことに気づき、再び頂上にとりに登る。沢渡りが不安なので、それからは急いで下る。まずは足場に気をつけながら右の写真のような岩場をぬける。石彫如来実像分岐ではどうしようかと迷ったが、視界も悪く頂上での展望も得られなかったので、見て行くことにする。この如来像(左の写真)は開けた平地に立っているが、足下はコンクリートで固められており、宝物264号と書いてあるが、芸術的にはワンランク落ちる像である。高さは2mあまりで、摩耗がひどく表情や手印はわかりにくい。頭の肉けいはあるが、螺髪ではなく、ストレートヘアーのようである。如来ではないのだろうか?とも思える。アルミのボックスの祠と花生けが2つあって、造花がいけてある。
12時53分、如来立像前を出発。13時4分ヘリポートを通過して、ヒキガエルを踏みつぶしそうになりながらも、ひたすら下る。このあたりに小屋があると地図には書いてあるが、それは見あたらない。13時22分、沢道との分岐に着く。右写真のように縄が張ってあり、立ち入り禁止の立て札が立っている。
さあここからの行程が問題だ。これだけ激しい雨が降り続いて、4回渡る橋のない沢がどうなっているのだろうか。磨崖仏前の沢は、行きはほとんど枯れ沢だったが、ちゃんとした沢になっている。でも、水に入らなくても渡れそうだ。写真のような足場のよい木道を下る。13時40分、最後の登りを登り切り、磨崖仏の前にたどり着く。靴の中は大浸水でふやけた皮膚は靴ずれをおこしやすくなっている。
次の沢とその次の沢は、30cmくらい水につかりながらの渡しょうである。最後の沢は、ずっと下流のためかなりの増水が予想される。そして、ついに最後の沢まで下ってきた。やや濁っているが推定が見えないほどではないが、水流の勢いが強く、そのままでは足をすくわれそうだ。すくなくても渡しょうは危険だ。上流に向かって川沿いに歩き、うまく岩の上を渡れそうな場所を探す。そして、適当なところを見つけて、賭に出る。エイヤッと三段跳びで間一髪の間合いで渡りきる。もう少し水量があれば渡れないだろう。韓国の管理された登山道にしてはスリリングだ。
14時30分、沢道との分岐の橋に到着。そのまま右写真のような多段の滝状態の登山道を下り、海印寺横の登山口に降り立ったのは14時41分であった。公衆トイレに入り、濡れたものを処理する。どこもかしこもびしょぬれである。靴下やシャツはもちろんのこと、パンツまで絞る。海印寺横を通り、バス乗り場に向かう。ここの沢は完全な濁流の激流である。海印寺の下のバス乗り場にも切符売り場があるが、それだけであるので、バスターミナルに向かう。食事もしたいし、冷えたからだに酒も入れたかったからだ。
15時27分、左写真のバスターミナルに着く。すると大邱行き15時30分のバスが出ようとしているではないか。急いで切符を買って飛び乗る。バスは海印寺の下のバス停にも停まってから大邱に向かった。これで今回の山行もすべて終了だ。後半は雨にたたられたけれども、結局事故もなく無事終えることができたのだった。
2003 08/18