統営出発
南望山から降り立ったところは、ちょうど対岸に昨日泊まったモーテルがある。湾をぐるりと回って帰ることになる。道沿いには左の写真のように漁船が並び、漁網が至る所に山積みされている。ガサガサッと音がするので見ると、小さな品のない犬が網の束と思いっきり戯れていたが、カメラを向けると恥ずかしそうに逃げていった。右の写真が、こちらに気づいて一瞬固まった瞬間の写真である。ここも港の朝はなかなか良い雰囲気である。そのままステージのある湾の最奥に向かう。
このあたりの特設会場は、どうも1592年7月8日のにあった閑山島海戦の記念フェスティバルのようである。この海戦は大げさに伝えられる場合も多いが、豊臣軍が送ったの海軍の中の脇坂軍が、相手を甘く見て将功を焦り、先走って単独出撃してしまい、土地勘のある李舜臣の水軍によって撃破された海戦である。輸送海路の防備という海軍の本来の仕事にはさほど影響がなかったらしいが、陸海含めて初めて朝鮮軍が勝利した戦いということで、大変な意味があるのであろう。海戦日は、旧暦でいくとちょうどこのころになるのだろう。といっても今年は7月が2ヶ月もあってずれている。
公衆トイレの裏にこのフェスティバルの日程や案内地図(右写真)があった。案内図を見ると会場は三カ所であり、様々なイベントが予定されているようである。こんな朝から暇そうな中学生の男たちが何をするでもなくうろついている。
ステージの正面は、左写真のような中央市場という魚市場のアーケードがあるが、人はほとんどいない。ハラモニのでかい写真の看板で有名な統営名物のトゥンボ・ハルメ・キムパプ(漁師の弁当用の細巻き)の店もあるが、まだ営業していないようだ。
途中路地に入ってモーテルに向かう。右の写真は、その途中にあった韓国版ユーフォーキャッチャーである。おもしろいことにおもちゃを組み合わせて針金で球状にくくってキャッチできるようになっている。ロボットの他、カメラや電動ドライバーなどなかなかちゃんとした物が多い。
7時過ぎにモーテルに帰ると、汗で濡れたシャツを水洗いして、それが乾く間、レポートを書いたり、サイパンでのどたばたコメディードラマ「愛しのドジ娘」を観たりしながら過ごした。そして、例のエロスファイバーを一気飲みして10時ちょうどに一応地図で方角を確認してこのモーテルを出発した。
市外バスターミナルは遠いので、大通りに出たらバスに乗ることにする。ところが道を誤ってしまった。北東への通りであるが、道は北西に向いている。両端を山に挟まれているので、まあとりあえず北の方へ行けば良いと考えていたのだ。途中、左の写真のような粋な銭湯を発見する。暑い中、ゆるい坂を登っていく。どうも昨夜通った道とは違うようだ。といってもそれらしき道はない。坂を上りきったところに北東への道があるようだ。そこにはなにやら古い建物がある。門の文字を見ると「忠烈祠」とある。忠烈祠とは、李舜臣の位牌が収められる祠堂である。一見の価値があるかも知れないが、道を間違えたようなのと暑いのとで、余裕はない。そのまま本来の通りらしい西に下る道があるので、そのまま下っていく。どうも昨日通った道らしい。バスターミナルの方向をヤクルトおばさん?に尋ねると、そこのバス停からバスに乗って行けと言われたので、もう少しだと思ったが900wでバスに乗る。バスターミナルらしきところで降りて、道を聞きながら、10時40分やっとの思いで市外バスターミナルにいて到着する。
ターミナルの千wコインロッカーに多くの荷物を入れて、古県行きのチケットを購入する。バスから見るとターミナル前のゲームセンターに見覚えのある看板がある。「大ヤマト2」と書かれている。本国では死語となりつつあるキャラもこんなところでゲームとして生き続けているのである。韓国の子どもたちよ、ヤマトで地球を救ってくれ!
22時55分、古県に向けて統営に出発する。ビルだけではなく一戸建ての家にも、ほとんどに青色の給水塔がある。水の貴重な地域なのだろう。
2006 08/11