南望山へ

 5時40分起床。外はもう明るいので南望山に登ってみることにする。右の写真の南望山は山といっても標高70mほどの小高い丘である。だが、統営の街から海に突き出た小さな半島の山なので、まさに市民の憩いの公園になっているとのことである。さらに、この自然豊かな南望山公園に1997年、16億wをかけて多くのオブジェ作品と市民文化会館を設置し、野外文化空間をつくったそうである。
 6時前に花火の上がっていた東の方向へ行くと、予想したとおり湾があった。このカング湾の周りが韓国のナポリといわれる風景で、湾沿いには屋台のテントがずらりと並び、対岸には南望山が見える。
 湾の奥に行くと、そこには左の写真のようにステージが組まれている。どうもここでフェスティバルのオープンセレモニーが昨夜行われたらしい。近くの屋台はほとんどが準備中だが、夜通し飲み明かした輩が、まだけだるく酒盛りしている。なんとステージの向こうには、原寸大?の亀甲船が浮かんでいるではないか。
 そしてその向こうには、写真のように韓国の国旗と軍旗?がバルーンにつり下げられている。昨年見たウルルン島で、「独島記念コンサート」のセッティングとほとんど同じだ。最後に花火がちょっと上がるのも同じである。それをイメージすると、この旗は元気よく会場上空を舞っていたはずだが、今では気が抜けて、縁起でもないのだが三分の一ほど海水につかってしまっている。
 会場の端には街に組まれていたのと同じような櫓もある。ということは、あの櫓の矢印は、この会場の方向を指していたわけだ。そしてそのまま、湾をぐるりと回り、6時14分、南望山への登り口に着いた。
 まあ登山口といってもまっすぐなゆるい坂の上り道で、観光案内図と道標からそれとわかる程度の普通の道だ。その道標を見ると文化会館、彫刻公園、南望山公園という表示以外にもスウィミングプールもあると書いてあるではないか。山の上にプールがあるのだろうか。その坂道を3分も登るともう中腹の文化会館の前に出る。ちょっと文化会館の奥へ行ってみる。するとプールらしき建物もあるが、お遊びする程度のもののようだが、文化会館はシアターもあってなかなかのものだ。会館前の広場では、人が集まって朝の体操をやる雰囲気だ。そこから道は二手に分かれるが、そのまままっすぐ登る。右の下には展望の良さそうな店があり、道沿いにはピンクのリコリスが咲いている。そして、南望山荘という藤棚のある食堂?に着いた。登りの車道はそこまでで、そこからは山頂らしき方向にコンクリートで街灯もある山道が、松林の中をまっすぐ伸びている。
その山道を登ってみる。といっても頂上までほんの3分の登りである。途中に双頭の亀の口に無理矢理蛇口をつっこんだような水場もある。そして山頂のすぐ手前に水郷亭という屋根付きの展望台がある。そこから見下ろす統営港の風景を期待して、水郷亭に登る。しかし、今日は晴れてはいるのだが、もやが出ていて港周辺はぼんやりと見えるだけだ。下は松葉の平原だ。
そして南望山山頂はブロックが敷き詰められている広場になっている。その広場の北に写真のような立派な李舜臣像があり、海をにらんでいる。やっと今日お目にかかれた朝日を浴びてまさに李舜臣は金色に輝いているのである。そこでは、おじいちゃんたちが朝の体操をしている。朝だけど気温も高く、汗びっしょりになった。日も照っているし、早々に頂上を後にして、李舜臣像の裏から下山する。暗い林の中の下山路にはカササギが数羽遊んでいる。そして文化会館の上に出た。右の写真はそこから見たカング湾周辺である。  文化会館の前の広場では先ほどの集団が、リーダーに指導されながら今まさに朝の体操の真っ最中である。文化会館の正面の下がどうも彫刻公園のようである。道からも芝生の中に彫刻や様々なオブジェがいくつか見えている。左の写真はその一つである。そこからまっすぐ降りる道もあるようなので彫刻を鑑賞しながら下っていく。公園の下の端からは民家や倉庫がすぐ下に見える。すぐ下にほとんど民家のしぶい寺もあるようだ。その寺の前の歩道から湾岸に下った。

   2006 08/11