地図ではチェンマイ駅の前の道をそのまままっすぐ行くと、サンカムペーン温泉である。しかし、実際はいくつも紛らわしい分岐がある。分岐ごとに人に道を尋ねて何とか山の上の温泉に到着した。しかし、私のイメージする温泉とはだいぶ趣が違うようだ。タイには温泉も少なく、淋浴や湯治の施設というより、家族でやってきて楽しむ温泉公園として楽しんでいるようであった。写真のように温泉は、公園内を長い小川のように流れていてみんなが足湯として使っている。
このような足湯という文化は日本的なものかと思っていたが、どうもお手軽な温泉の利用法としてアジアにも広まっているようである。さらにもう一つ面白い温泉文化がセットになっている。長々とうねる足湯をたどっていくと、やがて泉源の浴槽にたどり着いた。その中には引っかけ金具がずらっと並んでいる。売店で竹の小さな籠を借りて卵を買い、そこにつるすのだ。温泉卵って訳だ。公園内をうねる足湯に浸かりながら、みんなが温泉卵をほおおばっている光景は、ある意味すごい。ふつうの温泉家屋も一応はあるようなので、どうかと見にいくと、何と大人で300Bだ。日本なら仕方ないが、タイの物価を考えると、これは庶民の価格とは言えないのでパスする。タイでは温泉利用は、ステータスなのであろうか。
このミニツーリングで問題を感じたのは、バイクのブレーキがあまりに甘いことである。前後輪共にドラムだが、その聞きの悪いこととワイヤーのために強大な力がいるのだ。シューが粗悪品のようだ。馬力などは仕方ないが、ブレーキ性能だけは譲るわけにはいかない。レンタルバイク店に行き、なんとかクレームを分かってもらい、オイルディスクブレーキのバイクに変えてもらった。
結局この旅行で免許証をチェックされることはなく、警察は交差点の警備で手がいっぱいのようである。道の状態は良いのですが、給油は心配が多い。ガソリンスタンドはきちんとした施設で、インドネシアのように道路ぞいにガソリン小売り用の瓶が並んでいる状態ではない。きちんとしているのはいいが数が少ない。東南アジアのバイクのタンクは3Lで、田舎では心許ない。今後のバイクツアーは常にガソリンの残量の心配の連続だった。さらにこのバイクにはもう一つの心配も発生したのだった。