東莢温泉

 地下鉄に乗り、温泉場駅へ向かう。釜山の地下鉄にはもう慣れたので、何の不安もない。2区間のボタンを押し700wの切符を買う。すぐに電車が来たのでそれに乗る。満員の電車は、四面で多くの人をはき出した後、東莢で地上に出て、高架を走り出す。やがて温泉場駅に着いた。駅から少し南下し、大きな通りを横断する。なぜ中心地である向こう側まで地下道をつけないのか。
 東莢温泉場のメインストリートは大混雑で、大温泉場のある東莢観光ホテルを確認したあと、宿泊場所を探す。どこも高そうだったので、二筋くらい西の通りに行くとやっと安そうなモーテルを発見した。少し日本語が通じるようで、連れ込みの有無を確認して、部屋に案内された。オンドル部屋と洋間があるようだが、洋間を選び、三万wを支払った。今まで泊まった部屋の中ではなかなか良い。バスルームも広いし、備品もきちんとある。デスクも冷蔵庫も鏡台まである。ロココ調でデザインは少々えぐい感じもあるが...。荷物を整理して温泉に向かうこととする。
東莢温泉は、千年もの前に鶴が発見したという道後温泉のような伝説があるらしい。その後、日本と関係の深い釜山の保養地として温泉好きの日本人で繁栄していたのだろう。1991年にオープンしたこのホテルの横の東莢温泉の健康ランド?に入る。エスカレーターで3階?まで行って入浴料金を払い着替えてからガラス張りの大浴場に向かう。いろいろな浴槽やあかすりなんかもある韓国式のマルチ大浴場で、いわゆる温泉の風情などというものは求められるようなところではない。でも日本客は多いそうだ。日本では見られない黄砂風呂があったような?記憶がある。下の階にはいろいろな店もあって、総合レジャービルになっているようだ。疲れをいやすと言うより、観光の一つとし楽しむ施設だろう。くたくただったので、メモも写真もこの夜はほとんどとってなくて詳しくは語れない。  ホテルを出ると、腹ごしらえだ。なかなか手頃な店がない。そうこうしているうちに「参鶏湯」専門店を見つけた。滋養強壮にはもってこいではないか。ということで、早速入る。素っ気ない店で、参鶏湯は立派そうだが、ミッパンジャンはほとんど生のタマネギとでっかい青唐辛子である。その青唐辛子をかじってその辛さに目が覚めてしまった。さらにそのタマネギで胸焼けした。参鶏湯自体はまあこんなもんだろうが、どうやってこのミッパンジャンで美味しく食べろというのだろう。胸をさすりながら再び東莢の街へ
 疲れているとはいっても、まだ寝る時間でもない。明日登る予定の東莢の裏山である金井山の登山口と思われる金井山公園を確認しに行ってみる。大きな寺の門をくぐり、山の方に登っていくと、大きな通りがある。その向こうに公園の門が見える。料金所のような感じの建物もある。期待した登山地図などの登山路の情報は全くない。が、ロープウェイがあるので、なんとか登れるだろうと下ることにする。
 あっとそうだ。手紙を出していた朴さんに連絡を取ってみよう。と公衆電話に挑戦する。コインを入れて電話をしてみる。日本以上にボタンなどの意味不明な部分があったが、なんとか普通にかけることができた。明日の夕方、書店の前で落ち合うことにして、電話を切る。
 再び東莢の街に戻り、屋台で写真のようにトゥイギム(天ぷら)を肴として買って帰り、マッコルリを飲んで寝た。本当は、東莢パジョンで酒盛りといきたかったのではあるが...探す気力も残っていなかった。
  H14.12.30-6