清涼里駅へ
早朝、起きてこれからの計画を立てる。当初の予定では今日は慶州へ行き、明日安東、そして五台山、雪嶽山の順で北上し、束草から一気に釜山に移動することとしていた。その条件として、韓国最大の山岳行楽地「雪嶽山」登山を土曜日をはずすこと、安東の仮面舞踏を観るためには土日しかないこと、この二つを考えての計画だったのであるが、韓国の旅は、高速バスを使わなければなかなか移動に時間がかかるということがわかってきた。そうして、できるだけ北から南へのスムーズな移動の旅にすることにし、できれば汽車の旅を入れたいので、春川まで鉄道で、そこから東に雪嶽山に向かい、今日はとりあえず雪嶽山の近くまで行けばよいということとした。ただ春川から束草までの行程は日本の観光案内書籍では不明瞭な部分が多い。しかし春川は江原道の道庁所在地である。束草方面との連絡がないわけはない。
7:00過ぎ、ホテルをチェックアウトし、春川行き列車の始発駅である清涼里駅に向かう。ホテルは一応明洞にあるが、実際の距離は直接清涼里駅に向かう地下鉄1号線も近いので直接鐘閣へ北上する。乙支路の地下街で朝食としてキムパプ(2000W)を買った。鐘閣から地下鉄に乗り清涼里駅に向かう。地下鉄清涼里駅は、今回ソウル地下鉄最終地となる駅なのでサンプルとして600Wの切符を購入し、8:00前、国鉄駅に向かう。
韓国の長距離列車は一般的には座席指定である。ちゃんとした旅行なら予約チケットを買うのがいいのだろうが、私のように、「最低でも今日中に春川で宿が取れればいい」なんて、行き当たりばったりの旅ならこわいものなしだ。切符がとれなければ、バスで行けばいいし、韓国の場合タクシーで行っても日本の旅行のグリーン汽車賃くらいのものだ。春川への汽車は、およそ1時間に一本くらいある。まあ、どれかには乗れるだろう。
外人用の切符売り場(外国といっても日本語は通じないと考える方がよい。英語が通じるってこと)で、「チュンチョンカジ イソヨ ...ハンジャンジュセヨ」といい、4700Wで次発である8:35発のムグンファ号(日本でいうところの急行)指定席を買った。ムグンファとは日本でいうムクゲのことで、韓国の国花のようなものである。(ちなみに日本の特急にあたるセマウル号のセマウルとは朴大統領が推進した「新しい村」、普通列車トンイルとは「統一」という意味)どうも左の改札が春川行きのようである。改札の横にも掲示板があるがこれを見ると、チュンチョンへは8:00トンイル号、9:00ムグンファとなっている。切符は今日の日付で8:35、改札上の掲示も8:35になっていて、よくわからない。大丈夫ななのかなとちょっと心配だったが、便は何本もあるようなので.....。
出発まで時間もあるので、自販で300Wのコーヒーを買い、まだ誰もいない改札の前で朝食をとった。キムパプは、日本の海苔巻きよりもさっぱりしていて、あらゆる状況でよいファーストフードになる。
私も外国なので、お金の持ち方、財布やパスポートの確認、置き引きへの注意など神経質になっているが、平日の朝だというのに実際にはのどかな駅の風景である。韓国ではまだ国鉄が、メジャーな乗り物ではない証拠であろう。
2002' 8/23