五色へ下山
やがて第二休憩所に着いた。そこは現在工事中のようだ。左に水場があるが、一般人に使わせている様子はない。現在のところトイレもなく、掘っ建て小屋程度のものができつつある。そこの立て札によると、「小青峰−0.6km−中青峰避難小屋−0.6km−大青峰−1.3km−第二休憩所−1.2km−ソラク滝−1.2km−第一休憩所−1.3km−五色」とある。
8:15、最初の沢を渡る。(標高1050m?)すぐに次の沢があり、どうもそこがソラク滝の上のようだ。9:15に850m尾根を通過。そこは山岳地図のポイントだと考えられる。そこから木床の新しい焦げ茶色の鉄ばしごの階段を下って、登り返すと再び850m尾根に出た(9:25)。ここからずっと尾根下りで、ソラク滝の高度差100m下ではじめて沢に出るように地図には書かれている。どうもこのあたりは山岳地図と違いがあるようでだ。ここには尾根伝いの踏み跡もあり、おそらく西北稜への直登コースだと思われるが、綱が張ってあり、「ノートレイル」の標識がある。どうもバリエーションルートはどれも閉鎖されているらしい。一般の軽装備の登山者が迷い込むことを防ぐこともあるのかもしれない。ここから側土流出防止の丸太が山側にずっと60cmの高さで続いている。いろいろと自然および登山道の保護のために気をつかっているようだ。ここにの表示では、五色まで1.7kmの道標がある。それが、「登山口」「五色温泉」「五色薬水」のどれを指すのか分からないが、あと一息である。第一休憩所という掲示があるところもその下にあったように思うが、どちらにせよそこには建物もトイレも売店もない。すなわちこのコースは、中青峰避難小屋から登山口までトイレはないことになる。
ところが、ここからの下山路も延々と急な下りが続き、膝がたまらない。休み休み下っていると、後ろから私に声をかける者がいる。振り向くと、昨日の夕食をお世話になった青年達である。どうも、計画を変更して五色に下ることにしたらしい。しばらく、一緒に下っていたが、彼らは若さでガンガンと下り、そのうちずっと先に行ってしまった。このあたりになると登山客が多く、雪嶽山山頂への登山はこちらが中心のようだ。このコースの雪嶽山大青峰のアプローチは最も短いが、これだけ急坂続きの単調な登山は考えるだけでもぞっとする。
滑りやすい急坂をどんどん下って、高度を下げ、一度沢を渡ってその沢づたいにしばらく歩いていくと、ゲートがあり広い道路に飛び出した。そこが登山口(標高400m)である。ゲートのまわりの柵は鉄条網が敷かれ、なんか物々しい。登山口のオフィスも石造りでがっちりしている。その横にバス停と待合室の広場があり、そこには自動販売機と公衆電話が並んでいる。その奥にこれも立派なトイレがある。私は広場のベンチに腰掛け、缶コピを買って飲みながら一息ついた。
さて、これから五色温泉に行きたいが、ここからどう行けばいいのだろう。そこの道路は、三叉路になっており左右の道が先日通った国道のようである。温泉は「グリーンヤードホテル」内にあるらしいが、山岳地図によると国道を少し登ったところにあるようになっている。先日、バスで通ったときには道路沿いには見えなかった様な気がするし..。沢づたいに下る道路がどうも五色薬水方面に下る道のようだが、この道が温泉につながっているようにも思える。仕方ないので、登山口のオフィスで聞くこととする。3つの道の方向を指しながら「オーセクオンチェンオディエヨ?」と聞くが、それに対してべらべらと韓国語で丁寧に答えてくれる。よく分からないが沢づたいの道を下ることは確からしい。
どれくらいの距離かは分からないが、ここから見ると谷の下まで1km程度だから、それまでにはあるのだろう。少なくともグリーンヤードホテルはでかい緑屋根のホテルなので、見誤ることもあるまい。沢沿いの道を少し下ると、すぐに下に緑屋根のホテルが見えだした。登山路ではミンミンゼミ(日本と比べてちょっと濁った声)ばかりだったが、この道沿いではツクツクボウシが鳴いている。季節は秋に近づいているってことだ。
2002' 8/26