釜山出発
ぐっすりと眠り、この日目が覚めたのは7時過ぎであった。バナナ牛乳を一気に飲んで、外の様子を見る。テレビはどこかでみたことがあるようなアニメをやっている。浦沢直樹のようだが..。それはなんと「マスターキートン」であった。こんな青年漫画の作品までやっているのかと感心してチャンネルを回すと、こんどは「ぼのぼの」、そしてさらに「ポケモン」までやっている。さすが、日本が世界を席巻したと言われるコミックアニメである。
昨日の続きの「ハッピートゥゲザー2話」をやっていたので、それを観ながら荷物の整理をする。今や大スターのキムハヌルやチョンジュヒョンも、当時は売り出し中の一女優にすぎなかったんだなあと感じる。ソンスンホンやイビョンホンはもうスターの貫禄があるが...。土産物やCDなどもなんとかザックに収まったが、ずっしりと重くなってしまった。
9時20分モーテル(左写真)を出発する。なんと、外は雨が降っている。せっかくしまった傘を出して歩道橋に向かう。まずは、空港行きのバスがどこから出ているかだ。とりあえず駅前に行ってみる。右写真は陸橋の上から見た亀浦駅である。そのまま駅の前に出る。バス停はあるみたいだ。バスがなければ、たいした距離ではないからタクシーで行けばよいのだ。せっかくだから朝飯を食べていこう。駅前には安くてうまい店が多いからだ。雨も降っているので、目に入った店に駆け込む。
店の入口の上の看板を観ると写真のようにチュオタンとある。店の前の水槽にはドジョウとともに30cmくらいのナマズがたくさん泳いでいる。川魚料理の店のようである。チュオタンは南原で食べたので、その下にあるチェジョプククを頼んでみる。ナマズ料理なんだろうか。水槽のドジョウの写真を撮っていると、主人が出てきて、どこへ登山に行ったのかと聞いてきた。今回登った山を次々と言うと、智異山のことについてさらに詳しく聞いてきたが、そうなるともう笑っているしかない。
ミッパンジャンに続いて出てきたスープは、川魚の臭みを消すために真っ赤になったものを想像していたが、写真のように真っ白のスープでネギが浮いている。ソルロンタンみたいだなとスッカラでかき混ぜてみると、なんとシジミの身が入っている。それが尋常な量ではない。100〜150ほどの身がぎっしりと入っているのだ。2枚貝のスープはわずかに白濁するが、これだけ入れると身が見えないほどの白いスープになるのであろう。これだけの身をむくとなると手間もすごいがその安さがすごい。毎日酒浸りの肝臓には最後になってなんとすばらしい贈り物なのだろう。ミッパンチャンもどれもとてもおいく、滋養にいい。拝むような気持ちでいただき、その感謝の意もしっかりアジュマに伝えた。「チョンマシッソヨ」するとすかさずアジュマは満面の笑みで「チャンマシッソ...」と訂正した。改めて「チャンマシッソヨ」と返し、食堂を出る。
いい気持ちでバス停に向かう。空港行きが7〜8分おきにあるというが、どうもわからない。バス停のサイドが違うかとも思ったが、雨の中広い道を横断するのも危ないので、タクシーを駅前でひろうことにした。空港に行くことを告げると、タクシーの運転手は「ソウルか?」と聞いてきたので、「イルボニエヨ」と答える。空港敷地にはいると、雨の中、横断幕や歓迎の旗を持った百人くらいの若者が並んでいる。いったい何事なのだろう。そうして、10時14分、金海国際空港のターミナル前に到着する。飛行機は11時50分発だから時間には余裕がある。
2003 08/20