平成8年に観た資料では、三崎町は愛媛県の市町村の中で最も自然林の割合が多い町でした。実際ほとんどの山には天然の広葉樹林が広がり、町の木であるウバメガシの林も当たり前のようにどこでも見られます。また、この半島は渡り鳥の通り道でもあり、さまざまな小鳥だけでなく特に猛禽類については日本を代表するバードウォッチングの名所ともなっています。それらの鳥が運ぶ種によって多様な樹木が茂り色づきます。
しかし、数十年前までは耕して天に至るほどの段々畑があり、今とはかなり違った様相を呈していたと思われます。高度成長の時代、次々と生産効率の低い半島の農地を放棄していき急速に森林化が進んだため、自然林といっても樹間が狭く樹幹も細いものが多くなっています。したがって森林が成熟し、安定した循環をする生態系ができあがるまでにはかなりの年月が必要で、これからもこの半島の自然は大きく変化していくと思われます。
さて、このHPでは三崎町の自然について紹介していきますが、まずは文化財の対象と考えられている自然を中心に公開していきます。